ビジネス交渉のスキルを上げたい
という悩みにお答えします。
ビジネス書で『交渉では最悪値想定が必要』と書いてありますが、最悪値想定だけでは不十分です。
最近『Aの場合の最悪値はBだ。もしBになったらその時に対策を考える。』という人をよく見かけます。『Bが発生した時に、どうしますか?』と聞くと回答を持っていません。
ビジネス交渉においては、最悪値想定だけでなく『決裂限界値』を決定し『代替案』を準備しておかないと片手落ちです。
本記事では、
ビジネスや私生活の交渉では『最悪値・決裂限界値・代替案』の3つを準備する事が必要十分条件である話
を体験談の形でお伝えします。
本記事を書くために参考にした本を紹介します。交渉と説得のマニュアルとして使えます。
思いどおりに他人を動かす交渉・説得の技術 [ 谷原誠 ]
ビジネスや私生活の交渉は『最悪値想定』だけでは不十分
ビジネスや私生活の交渉では、行動を起こす前に『最悪値想定』が必要です。
最悪を想定していないと問題が発生した時にパニックになります。でも『最悪値想定』だけでは不十分です。
交渉の『決裂限界値』を定義し、決裂限界値を超えた時の『代替案』を事前に決めておく必要があります。
交渉では『達成したいGoal』があります。そのGoalを手に入れるために交渉をします。しかし、相手がある事ですので思い通りに進まない事があります。
『この決裂限界値までは受け入れる、決裂限界値を超えたら受け入れないで代替案を選択する』という事を事前に決めておきます。
交渉の決裂限界値を決めておくと冷静に交渉が出来ます。
決裂限界値を超えてしまったら『あーダメだったか、じゃあ代替案を選択しよう』と即座に判断が出来ます。決裂限界値も代替案も事前に検討済なのでパニックにはなりません。
ビジネスや私生活の交渉においては『最悪を想定した上で決裂限界値の設定と代替案の準備を行う』事が必要十分条件です。
私の体験談からいくつか具体例を挙げます。
決裂限界値と代替案の例(1) FX
まずは一番分かりやすい事例としてFXを挙げます。
1ドル100円で1000ドルを購入したとします。10万円分です。『1ドル95円になったら売る』と決めてシステムに登録します。
もし1ドル95円になってしまったら売ります。その場合、手元に950ドル(9.5万円)残ります。5千円の損です。
望ましくない結果ではありますが、想定内なのでパニックにはなりません。
この場合の決裂限界値と代替案は
- 決裂限界値:1ドル95円と定義
- 代替案:売る
です。
決裂限界値と代替案の例(2) 新規事業
私は会社で新規事業を経験しました。
新規事業において、新しい事が出来て楽しいのと失敗するリスクがあるのとはトレードオフです。失敗したらまた次の職場で頑張ろうと思っていました。
大企業への転職成功率を上げる私の戦略をこちらの記事に書きましたので参考にしてください。
大企業への転職には逆張り戦略!合格も社内人脈も得る賢い方法
新規事業って最初は楽しいんですよね。Aが実現したらこんなに良い事がある、Bが実現したらあんなに良い事がある、というように夢は膨らみます。
私は開発部門に所属していたのですが、どんどん新しい技術を採用出来て非常に楽しかったのを覚えています。
でも仕事ですから楽しい事ばかりではありません。辛い局面もあります。
この新規事業は3年半頑張りましたが、儲けを出す事が出来ませんでした。結果としてその事業は潰れてしまいました。私は社内転職活動を強制されることになりました。
でもこの最悪値は想定内でしたし、決裂限界値も代替案も準備していたのでスムーズに対応できました。
この場合の決裂限界値と代替案は
- 決裂限界値:事業がつぶれる
- 代替案:次の職場を探して頑張る
です。
決裂限界値と代替案の例(3) ゴルフ
ゴルフは常に失敗のケースを想定してクラブを選択します。
- 右サイドがOBだからドローで打つ。失敗しても左のラフに行くように打つ。
- グリーン手前にバンカーがあるから1クラブ上げて打つ。失敗してグリーンをオーバーしてもOK。
のような感じです。このように事前に想定している失敗の範囲ならば問題ありません。
しかし、ゴルフでは事前の想定範囲外のミスショットが出る事があります。
- 左のラフを超えて林に入ってしまった。
- バンカーを避けたはずなのにバンカーに入ってしまった。
のようなケースです。この時は私は 次のショットを1打罰として受け入れて、通常状態に戻す事に全力を注ぎます。
- ラフからフェアウェイに戻すだけ
- バンカーを出すだけ
のような代替案です。
この場合の限界値と代替案は
- 決裂限界値:事前に想定している失敗を超えるミスショットをする
- 代替案:1打罰を受け入れて通常状態に戻す
です。
決裂限界値と代替案の例(4) プロポーズ
私は30歳の時に結婚しました。プロポーズをした時も限界値と代替案を決めていました。
- 決裂限界値:回答をちょっと待って欲しいと言われる
- 代替案:結婚をあきらめて次の人を探す
です。即OKと言ってくれなかったら別れるつもりでプロポーズをしました。
これには理由があります。
私が結婚する少し前に、私の友人がその彼女にプロポーズをしました。友人の彼女は『回答をちょっと待って欲しい』と返しました。
その後9か月経っても回答は得られなかったそうです。その間私の友人は回答を待ち続けていたのですが、最終的には結婚をあきらめました。
友人の彼女にも主張はあるのでしょうが、その友人は『最初からその彼女は結婚する気はなかった』と判断しています。
その友人は時間という大事なリソースを9か月も無駄にしたうえ、精神的に病んでしまいました。
そんな事例が身近にあったので、私はこのような決裂限界値と代替案を設定していました。この代替案が発動する事はなかったので良かったのですけれどw
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- ビジネスや私生活の交渉では『最悪値・決裂限界値・代替案』の3つを準備する事が必要十分条件です