『カッツ理論?70:20:10の法則?』を学んだけど、結局どう行動すれば良いの?
という悩みにお答えします。
私は『70:20:10の法則』がイマイチ理解できませんでした。経験と研修のどちらが大事かが分からなかったのです。
ある時に研修で『カッツ理論』を学んだ時にようやく理解できました。自分がやるべき勉強法をイメージ出来るようになりました。
『70:20:10の法則』は『カッツ理論』と組み合わせる事で深く理解できます。そしてその結果は30代サラリーマンに最適な勉強法です。
本記事では、
カッツ理論 と 70:20:10の法則 を学びつつ、30代サラリーマンに最適な勉強法
をお伝えします。
カッツ理論
カッツ理論とは、ハーバード大学の教授ロバート・カッツが1955年に発表した 人材育成プランを作るうえで基盤的な役割を担っている理論です。
カッツ理論は新人からマネージャーに至るまでの育成アプローチの検討の際にもフレームワークとして活用されています。
私は30歳の時に会社の研修でカッツ理論を知り、非常に分かりやすいと感じたのを覚えています。
カッツ理論では、リーダーに求められるスキルとして「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つを挙げています。
3つのスキルを簡単に説明します。
(1) テクニカルスキル
「業務遂行能力」です。担当業務を遂行するのに必要な専門知識や技術のことです。営業であれば販売力、技術者であれば設計力や技術力の事です。
(2) ヒューマンスキル
「対人関係能力」です。上司や部下、顧客などと上手くコミュニケーションを取る能力です。相手に意図を正しく伝えるやプレゼンテーション能力も含みます。
(3) コンセプチュアルスキル
「概念化能力」です。情報を収集して構造化して問題の本質をとらえる能力や、将来を予測してビジョンを語り解決策を具体的に考えて遂行する能力です。多くのスキルを必要とします。
カッツ理論は、『リーダーの成長ステージによって必要とされるスキルの割合が変わる』事がポイントです。
70:20:10の法則 (私はカッツ理論なしでは理解できませんでした)
70:20:10の法則 という法則があります。
Michael M. Lombardoという人が書いた「Career Architect Development Planner 3rd Edition (The Leadership Architect Suite)」という本に書かれています。
アメリカの研修会社が、成果を出している経営者に対して調査をしました。
「あなたを成長させたのは何か?」という質問をした所、回答の集計結果が「経験70%、薫陶20%、研修10%」だったそうです。
- 経験:実践や行動による成長
- 薫陶(くんとう):上司や同僚などの他社から得たのアドバイスによる成長
- 研修:本やセミナーによる成長
この割合は多くの人が「腑に落ちる」という事で「70:20:10の法則」として語られています。
私は「70:20:10の法則」をとある会社の人事部門の方が社員に対して必ず共有しているという記事を読んだ事で知りました。
でもイマイチ腑に落ちていませんでした。
(1) 行動が大事って事?
確かにアイデアを持っていても行動しなければ価値はない。でもやみくもに行動しても良くないよね?それだけ行動を嫌がる人が多いという事?
(2) 本やセミナーは大事ではないって事?
人事部門が改めて社員に伝達する意図は何?「人事部門は積極的に研修をしません。自分で行動して仕事を覚えてください」という事?
(3) 学びと行動のバランスが大事って事?
そんなの当たり前。人事部門が改めて社員に伝達する意図は何?
「70:20:10の法則」をどのように解釈して勉強すれば良いかを私は理解できませんでした。しかし、カッツ理論と組み合わせる事で理解できました。
カッツ理論と70:20:10の法則を組み合わせる
カッツ理論と70:20:10の法則を組み合わせる事で30代サラリーマンの勉強法を導き出せます。
まず70:20:10の法則の「経験70%、薫陶20%、研修10%」を抽象化して「Output70%、Input30%」と考えます。
- OUTPUT(勉強した事を生かして行動する時間):70%
- INPUT(上司や本から勉強する時間):30%
これを自分の時間に置き替えます。単純化のために1日10時間業務に関する活動をすると仮定すると以下になります。
- 7時間は仕事をする(OUTPUTする)
- 3時間は上司や本から学ぶ(INPUTする)
注目すべきポイントは『毎日3時間INPUTしているか?』です。時間がない社会人にとって1日3時間のINPUTは大きな数値目標です。
さらに、責任ある立場になると忙しくなってきて業務時間が増えます。「70:20:10の法則」に従うとINPUTの時間を増やす必要があります。
一方で「カッツ理論」に従うと勉強するスキルが変わります。
若いころはテクニカルスキルを上げれば良いですが、30代になるとヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルを勉強する必要があります。
でも人間の時間は限られています。どうするのが最適でしょうか。私の答えは『若いうちからテクニカルスキルだけでなくヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルも勉強する』です。
人事部門が「70:20:10の法則」が社員に説明するのは、もしかすると『人事部門は積極的に研修をしません。自分で勉強して(INPUT30%)行動して(OUTPUT70%)仕事を覚えてください。』という意図かもしれません。
それを受け取った社員がどう受け止めるかが重要です。私の理解は以下です。
- 行動するのは当たり前(OUTPUT)。さらに、行動する前提としてのスキルをしっかりと時間を確保して勉強せよ(INPUT)。
- ステージが上がってから新しい勉強を始めるのでは遅い。若いうちから勉強して3つのスキルをバランスよく身につけよ。
「カッツ理論」×「70:20:10の法則」=「若いうちから時間を確保して3つのスキルをバランス良く身につけろ」
です。
カッツ理論と70:20:10の法則では行動を軽視している訳ではありません
念のため補足しておきます。
「カッツ理論に基づいて3つのスキルをバランス良く身につけろ」と書きましたが、行動を軽視しているわけではありません。思考が出来ていても行動が伴わないと価値はありません。
「カッツ理論」のような理論を盾にして、行動せずに文句だけ言う人がいます。行動するのは疲れるから避けたいのでしょう。
このタイプの人は他のメンバーの足を引っ張るため私のチームからは外れてもらっています。
『思考も行動もする人 > 思考はしないが行動する人 >>> 思考はするが行動しない人』です。
カッツ理論と70:20:10の法則から導く30代サラリーマンの勉強法 まとめ
- 「カッツ理論」=3つのスキルをバランス良く身につけろ
- 「70:20:10の法則」=若いうちから勉強してスキルを身につけろ
- 「カッツ理論」×「70:20:10の法則」=若いうちから勉強して3つのスキルをバランス良く身につけろ