机上の空論体験談:マンション管理費削減は無理ゲーです。

最近、いい年こいてわりと真剣に「机上の空論」を体験しました。その体験談をお伝えしつつ

 

マンションの管理費が高い!!資産にならない管理費に高いお金を払いたくない

という悩みにお答えします。

 

私はマンションの管理組合の理事を2年間やりました。どうせやるならと勉強をしました。

 

その結果、どのマンションも管理費が高い傾向がある事と、安くする方法がある事を知りました。マンションの管理費は管理組合の団結度次第で安くできます。

 

本記事では、

マンション管理費削減を勉強したが「机上の空論」である事を知り諦めた話

を体験談の形でお伝えします。

 

目次

机上の空論体験談:マンション管理費削減方法を勉強したきっかけ

管理会社の担当者から突然私に電話が掛かってきました。

 

来年度から管理組合の理事をやって頂くことになりました。

私数か月前に引っ越してきたばかりですけど。。

輪番なんですよ。マンションの事をより知ってもらえる良いチャンスですよ。2か月に1回の理事会に集まって頂ければ良いですから。

断る事はできないのでしょうか?

基本的にはお断り頂かない事で考えています。

仕事で行けない事もありますけど。

事前にご連絡頂ければ欠席OKです。

 

という感じで半ば強引に管理組合の理事をやる事になりました。

 

マンション内の知り合いは子供繋がりで何人かいる程度でしたので、マンション内の繋がりをもう少し増やしたいなぁと思っていた事もあり、引き受ける事にしました。

 

机上の空論になるとは知らず…意識高く勉強した

管理組合の理事をやるなら責任を持ってやろう!と思い、理事会参加前に本を数冊読んで知識を蓄えておきました。

 

一般的に マンションの管理費が高い 事が問題視されている事を知りました。

 

新築マンションを買うと75㎡でだいたい管理費1.5万円、修繕積立金1万円ぐらいです。修繕積立金は時が経つにつれて上がるのが普通です。

 

管理費と修繕積立金の用途を調べました。

 

管理費

管理人の人件費、管理会社への事務委託手数料、設備の保守点検費用や清掃委託費、共用部分の水道光熱費・損害保険料や管理組合運営費などに充てられる。大規模マンション(タワーマンションや高層マンション他)でフロントサービス、医療サービスなどの各種サービスやプール、ミニシアターなどの共用施設を充実させる場合には、それらの維持管理費用も管理費から賄われる。

修繕積立金

共用部分の計画的な修繕、臨時的な修繕を実施するために、徴収した金銭を積み立てたもの。原則として積立期間を通して均等に積み立てるものである。修繕積立金は住民全体の貯金で、主に建物の修繕に使われる。管理費は日々のマンション維持に使われる。

となります。これを踏まえて、管理費1.5万円、修繕積立金1万円 という金額をどのように感じますか?

 

『マンションの管理費が高い!!なんで資産にならない管理費にこんなに高いお金を払ってるの?』という感想を持たれるでしょう。私も同感でした。

 

これぞ机上の空論!マンションの管理費を下げる手段は3つ

マンションの管理費を下げる手段は3つあります。

 

(手段1) 管理レベルを下げる

管理レベルを下げる事でマンションの管理費を下げる事が出来ます。

 

例えば、エレベータの点検って本当にそこまで高頻度でやる必要あるでしょうか?

 

エレベータの点検の費用は結構高いです。一方でエレベータってフェイルセーフ(もし問題が発生した時に安全な方向に倒す)の機能が入っています。問題が発生したら最寄りの階に止まってドアが開きます。

 

問題が発生しても最悪の自体は防げるのです。それにも関わらず毎週点検する必要はあるでしょうか?管理費が安くなるなら点検は月に1回にしても良いのではないでしょうか。

 

このように過剰なサービスを削る事で管理費を下げる事ができます。

 

(手段2) 管理会社と交渉して値段を下げてもらう

管理会社と交渉する事で管理費を下げる事が出来る可能性があります。

 

一般的にマンションを販売した会社の関連会社が管理業務を請け負っています。自分のグループに発注した方がグループのコスト最適化に繋がるからです。

 

その場合、管理費を一般的な相場より高めに設定している事が多いです。

 

マンションの管理会社をいくつか調査して管理内容と管理費の比較表を作り、管理会社に対して管理費を安くする交渉をすると、管理費を安くしてくれる事があります。

 

他者調査と交渉は住民のみで行うのではなくプロを雇う方が良いです。交渉するだけでもやってみる価値はあります。

 

(手段3) 管理会社を変える

管理会社を変える事で管理費を下げる事が出来る可能性があります。

 

最近は、管理会社の変更は一般的になりつつあります。毎月1.5万円払う住民の一人として 管理会社が適正に競争された結果選ばれた業者である事 は必須条件として要求したい事です。

 

幾つか選択肢を用意して、その中から最適な管理会社を選ぶ事を定期的に行えば、マンションの管理費は安くなります。

 

幾つかのマンションでは『(A社)親の管理会社』『(B社)下請けの管理会社』と管理会社が2層になっている場合があります。実務はほぼB社が行います。

 

この場合、管理組合はA社との契約を解除してB社と契約すれば、A社に払っている分の費用を減らす事が出来ます。

 

この選択肢も管理会社を変える一種です。私のマンションもこの構成になっています。このような構成の場合A社はネームバリューのある大会社である事が多いです。

 

A社との契約を解除するとなると『管理会社を変更するなら、詳細の図面の引継ぎをやらないよ』という感じでいじめられる事があります。

 

簡単な作業ではありませんが、実現出来れば管理費は確実に安くなります。

 

上記3つのいずれかを実行すれば管理費を安くできます。『実行すれば』がキモです。『実行出来るならば』と言い換えた方が良いかもしれません。

 

机上の空論体験談:管理組合が団結して行動し続ける必要があります

管理費を安くする行動を実行するのは管理組合です。管理組合が実行できるならば管理費を安くできます。

 

管理費を安くする行動を実行するためには、管理組合が団結して行動し続ける必要があります。

 

管理組合が『団結する・行動する・続ける』の3つの要素を全て揃えられる場合に可能になります。

 

例を挙げます。政府が行う外交で何が大事か知っていますか?

 

 

内政です。外交は内政9割、外政1割と言われているそうです。つまり、外向けに何かを言う場合にはその前に内部の意思統一が最も困難かつ大切 という意味です。

 

管理組合内部の意思統一が本当に困難かつ大切です。これは相手の立場に立ってみると分かります。

 

  • こちらが良い提案をした
  • 相手が提案を受け入れて合意した
  • その後にこちらのメンバーがその提案に反対して結局交渉が不成立になった

 

となったら相手はどのように感じるでしょうか?交渉するに値しない組織であるとこちらに対する信頼度を下げます。

 

マンションの管理費が高いから安くしたい、という目的を達成するための手段はいくつかあります。それを実行するために

 

  • 管理組合を団結させる事
  • 管理組合として行動する事
  • 管理組合として行動し続ける事

 

は出来ますか?と問いかけてみてください。

 

マンションの管理費を下げる事を私は諦めました

メリット

管理費が1.5万円が1.3万円に下がる

 

デメリット

管理組合を『団結して行動し続けられる』状態にして自分が先頭に立って管理会社と交渉し続ける事

 

を比べてみると、私にはデメリットが大きすぎました。

 

仕事や子供の行事を優先するため、年6回の管理組合の理事会にも半分しか出席できていません。

 

管理費の削減という課題を解決する行動の先頭に立つ事は、私には不可能です。

 

自分に時間があったら是非やりたい課題ですけれど、提案だけして自分は行動しないのは無責任なのでやりません。

 

結果として、私には管理費削減の行動を起こせませんでした。

 

机上の空論体験談:マンション管理費削減は無理ゲーです。 まとめ

  • 一般的にマンションの管理費が高い事が問題視されています
  • マンションの管理費を安くする手段は3つ:管理レベルを下げる、管理会社と交渉する、管理会社を変える
  • 管理組合が団結して行動し続ければ管理費を安くできます

 

 

私の体験談として、マンション管理費削減は机上の空論です。

 

本記事を書くために参考にした本を紹介します。マンション管理の見直し方を一般論と具体論を合わせて説明している良書です。

 

マンション管理はこうして見直しなさい 分譲マンションに住む人すべてに贈る衝撃の管理見直し [ 廣田茂 ]

 

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