子供の頃に受けた鉄拳指導に感謝してる人は指導者になってはいけない話

スポーツ界で指導者が選手に暴力を振るう鉄拳指導が後を絶ちません。でも、ほんの十数年前は鉄拳指導が当たり前でした。

 

私は体育会系の部活経験者で鉄拳指導に感謝してる人間です。鉄拳指導に感謝してる私が指導者になってはいけない理由をファントムペインという言葉を使って説明します。

 

私が感謝している鉄拳指導は、今の時代を基準にするとファントムペインです。私が指導者にならなければ日本から鉄拳指導を減らす事ができます。

 

本記事では、

ファントムペインの意味を学びつつ、鉄拳指導に感謝してる人は指導者になってはいけない話

をお伝えします。

 

目次

鉄拳指導に感謝してる人は指導者になってはいけない話:ファントムペインとは

ファントムペインという現象があります。日本語では幻肢痛(げんしつう)と言います。

 

Wikipediaには以下の説明があります。

怪我や病気によって四肢を切断した患者の多くが体験する、難治性の疼痛。

 

症状

四肢を切断した患者のあるはずもない手や足が痛みだす。例えば足を切断したにもかかわらず、爪先に痛みを感じるといった状態を指す。あるはずのない手の先端があるように感じる、すなわち幻肢の派生症状である。

 

原因

詳しい原因は判っていない。脳内にある体の各部位に対応するマップが、その部位を失ったにもかかわらず更新されないことが影響しているのではないか、という説がある。電流を流した万力で潰されるような痛みがあるという。

 

治療

痛みを感じているはずの部位は実際には失われているため、痛み止めの薬や麻酔などは当然のごとく効果がない。内部に鏡の仕切りがある箱に失っていない手を入れ、鏡を覗き込みながら(つまり失った四肢の側を鏡で隠しながら存在する四肢を鏡に映して見る)「グー・パー」などと動かすことで痛みが消える、または緩和する、という治療法がある。この療法は鏡療法、鏡治療、ミラーセラピーなどと呼ばれる。ただし、この治療法の効果には個人差があり、決定的な治療法は見つかっていない。

 

ファントムペインは心理的な痛みにも応用されます。例えば、子供時代に虐待を受けた経験のある人が自分の子供を同じように虐待してしまう事があります。

 

ファントムペインに似たトラウマを心に抱えている人が、そのファントムペインを自分の子供への攻撃性に転化してしまうのです。

 

もう少し一般化すると、ファントムペインを持つ人は、自分のされた行為と同じことをそのまま他者に振る舞うようになる のです。

 

鉄拳指導に感謝してる人が指導者になると鉄拳指導をするようになります。

 

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私は鉄拳指導に感謝してる体育会系の部活経験者です

私は中学・高校の部活はバスケ部に所属していました。特に中学時代の部活は体育会系でした。練習でも試合でもミスすると先生から鉄拳指導を受けました。

 

強めの平手打ちをされたり、ボールを顔にぶつけられたり、戦略ボードで頭を小突かれたり、イスでお尻を叩かれたりしました。

 

特に試合ではハーフタイムも試合後も時にはタイムアウトの時にも平手打ちされました。痛かったです。

 

今のご時世ではありえない出来事です。でも、ほんの十数年前は鉄拳指導が当たり前でした。

 

私はバスケ部の先生の鉄拳指導に感謝している

私はバスケ部の先生の鉄拳指導に感謝しています。

 

(1) バスケの理論を正しく教えてくれた

バスケ部の先生は大学時代に選手として実績のある方でした。さらに高校や大学の試合をビデオに撮ってフォーメーションを研究していました。それを生徒に教えてくれました。

 

私は小学校時代に近所のおじさんがコーチとして教える少年野球に所属していました。コーチは休み時間にビールを飲んで煙草を吸っていました。野球の理論も怪しかったです。

 

私は小学生ながら『これは違うな』と思っていた私にとって、バスケ部の先生がバスケの理論を教えてくれる事が非常に心地良かったのです。

 

 

(2) 全員にチャンスをくれた

土日はいつも練習試合があり、年に3回大きな大会があります。どこかで部員を必ず出場させてくれました。バスケ部の部員は1学年15人ぐらいでしたが、全員が試合に出られました。

 

私は中学1年生の時に身長が142センチしかありませんでした。1年生大会では部員15人のバスケ部で3軍でした。それでも試合に出る事が出来ました。

 

練習が楽しくてのめり込んでいたら中学2年生の時には1軍になり、さらに3年生の試合にもスタメンとして出られるようになりました。

 

鉄拳指導はされますが、練習したら試合に出してくれるので、全員楽しく部活動を出来ていました。

 

 

(3) 先生の言うとおりにやると勝てた

先生は一流の指導者でした。先生の言うとおりに練習し、練習通りの事をやると試合に勝てました。自分が上手くなるのを感じました。

 

他の学校には私たちよりも運動神経が良い人がいました。1対1では勝てない事もありました。でもチーム対チームなら勝てました。

 

市の大会では優勝しました。県の大会でもそこそこの成績でした。練習を繰り返す事で、自分が上手くなりチームが強くなるのは本当に楽しかったです。

 

 

(4) 先生の事を悪く言う人は一人もいなかった

毎日の部活が楽しかったです。バスケが上手くなれるし試合に勝てるから。

 

鉄拳指導はいつもの事なので慣れました。試合後には出ていた選手全員が平手打ちされるので、どこに並べば痛くないかを研究したものです。最初と最後に並ぶと痛いんですw

 

一部のPTAからは『大丈夫?』という声が挙がりましたが、問題にはなりませんでした。

 

 

(5) 総評

私はバスケ部の先生が大好きでした。鉄拳指導に感謝しています。

 

先生は何もできなかった私にバスケを教えてくれました。毎日部活に行くのが楽しかったです。世の中にこんなに楽しい事があるのかと思いました。

 

今の私の礎を作ってくれたのはバスケ部の先生の鉄拳指導だと心から感謝しています。でもこれこそが注意すべきポイントなんです。

 

鉄拳指導に感謝している私が注意すべき事

私の体育会系の部活の経験は、今の時代には合いません。今の時代を基準にすると私の経験はファントムペインです。

 

もし私が子供にバスケを教えるとしたら、中学時代の先生から教わった事を教えます。教え方も同じになってしまうでしょう。

 

感情的になって子供を平手打ちする事はありませんが、必要性を感じたら無意識に平手打ちしてしまうかもしれません。(やった経験はありませんよ)

 

ファントムペインを持つ私は、私がされた鉄拳指導をそのまま他者に振る舞うようになるのです。私は意識して鉄拳指導しないように注意しなければいけません。

 

 

 

きっとあなたも同じです。

 

 

 

時代は変わっています。

 

体育会系の部活経験者であるあなたが受けた大切な経験は、今の時代を基準にするとファントムペインです。

 

あなたが受けた鉄拳指導を、そのまま子供に振る舞う事は許されません。

 

例えば

  • 先生が生徒に平手打ちする事
  • コーチが教え子に平手打ちする事

は鉄拳指導ではなく傷害事件です。

 

あなたの経験をあなたが学んだ方法で子供に伝えると傷害事件の加害者になります。さらに怖いのはこれを無意識にやってしまう事です。

 

体育会系の部活経験者であるあなたは、傷害事件の加害者の予備軍である事を意識する必要があります。

 

あなたの経験を子供に伝える際は、あなたが学んだ方法と 違う方法 で子供に伝える必要があります。

 

部活動に対する感情の教育も全て言語化して丁寧に子供に伝える必要があります。

 

鉄拳指導に感謝してる人は指導者になってはいけない話:パパになったら要注意! まとめ

  • 鉄拳指導に感謝してるあなたの経験は今の時代にはファントムペインです
  • あなたの経験をあなたが学んだ方法で子供に伝えると傷害事件の加害者になる事を注意すべきです
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